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執筆者の写真Midori Nissato

[Suits woman]“ママにしか出来ないこと”なんてない!?夫婦間で育児シェアするための方法

※この記事は、小学館 Suits womanに掲載していた記事です。サイト閉鎖に伴い、許可をいただき転載しています。


新型コロナウイルスの流行で、外出自粛やリモートワークを経験し、夫婦の家事育児分担について悩まされたり、話し合いをしたりしたご夫婦も多いのではないでしょうか。 我が家も例外ではなく、外出自粛期間中に仕事と育児の両立に限界を感じ、ベビーシッターさんを召還したりしました。

「夫が育児を思うようにやってくれない」「なんだか自分だけが色々やっているようで負担を感じる」と語る育児シェアに不満を抱えた友人たちの話を聞いてみると、彼女たちのパートナーには、ざっくり分けて“出来るけどやる気がない”と、“自分には出来ないと思っている”の2つのパターンがありました。

前者の方は、話し合いなどでじっくり解決する方法を模索する必要がありますが、後者の方は妊娠中から夫婦で意識的に過ごすことでかなり解消できるのではないかと思います。 そんな、男性が“自分には出来ない=ママにしか出来ないと思っていること”を解決する方法を今回はひも解いていきます。


“ママにしか出来ないこと”って何がある?

”ママにしか出来ないこと”と聞いて、何を思い浮かべますか? 一昔前だったら、育児や家事が、まっさきにあげられていたことと想像します。 現代では、共働き夫婦も増え、家事や育児をシェアするのは当たり前になりつつあり、“やるかやらないか問題”はありますが、家事・育児に対して“ママにしか出来ないこと”というイメージを思っている人は少ないかと思います。

では、出産は……? 昨今では、代理出産や里親、養子縁組などでママになることも出来ます。 授乳も、保存しておいた母乳や市販の粉ミルクをパパや保育士さんがあげることも出来ます。 性別による肉体的な差異はもちろん事実としてありますが、“ママにしか出来ないこと”は実はほとんど無いのは?というのが私の考えです。 (※「今日はママと一緒に寝る!」「ママじゃなきゃイヤ!」と、子どもの意思で選ばれる場合や、“寝かしつけは不思議とママの方が早い”という場合もありますが、それは今回は一旦置いておいて、ママ・パパそれぞれの意思で決められることにしぼって考えていきます)


では、なぜ“ママにしか出来ないこと”が発生するのか?

「子どものことはママに聞いてみないとわからない」ってそんな……!


では、なぜ育児シェアの妨げになる“ママしか出来ないこと”が発生するのでしょうか。 自分自身のこれまでの経験から感じた、まず最初の原因は、“ママしか知らないことが増えること“です。 妊娠した時から、母と子はセットになっているので、妊娠・出産という一連の流れを全て体験出来るのはママになります。仕事が忙しいからと言って、お腹の中の子とパパだけで妊婦検診に行くことは出来ませんよね。 もちろん妊婦検診に同行するパパも増えていますが、妊娠中から四六時中一緒にいるという人は、なかなかいないのではないでしょうか。

そうすると妊娠中は、どうしてもママにだけインプットされる情報が増えてきます。さらに、一人でいる時にふと「妊婦は自転車には乗らない方が良いのかな?」とか「アイスに入っているラムレーズンはアルコールに含まれるのかな?」など思い立ち、調べることで、ママ一人が知っている知識がどんどん増えていきます。 「今日の妊婦検診でこんなこと言われたよ」「妊娠中は○○なんだって」と、情報をシェアするたびに、子どものことはママに聞けば大丈夫!という構図が出来上がっていったように思います。


女性は出産したらいきなり“全知のママ”になるわけではない。

いろいろ講習も受けたはずなのに、赤ちゃんを目の前にするとわからないことだらけ!


産後、病院から自宅に帰り、赤ちゃんとの生活が始まりました。わからないことだらけの新しい生活です。 そんな中で最もストレスを感じたのは、夫から次々に発せられる「赤ちゃん○○してるけど、なんで?大丈夫?どうしたらいい?」という質問でした。 聞かれたところで私もわからないよ!! ただでさえ、こっちは出産で股が裂けてぐったりしてるのに、質問ばかりされて頭にきてしまいました。 「私もわからないことだらけだから、疑問があったら自分でも調べるようにして欲しい。そして、調べたり聞いたりしてわかったことはお互いシェアするようにしない?」と伝えると、夫もハッとした様子で、それ以来“調べること”もお互いするようになりました。

オムツ換えや保育園の送り迎えなど、実際に“目に見える行動の育児”のシェアも大事ですが、“調べること”のように、目に見えない育児のシェアも大事だと思った出来事でした。


“赤ちゃんのお世話は私しか出来ない”と思っていませんか?

「夫には赤ちゃん預けられない」という衝撃の発言。


産後5か月頃、同じくらいの子どもがいる友人たちと話していた時のことです。 産後はなかなか自分だけの時間が取れないよね、という話の流れで友人から出てきた「夫には預けられないよ。オムツも替えられないと思うし、信用出来ない。無理」という言葉に衝撃を受けました。

パパは育児放棄しているので預けたら赤ちゃんの生死に関わるから、という場合は本当に無理な状態だと思うのですが、会った時の印象もどちらかと言えば子煩悩なタイプのパパだったので、なぜ?と疑問でいっぱいでした。

話を聞いていると、どうもママの方に“赤ちゃんのお世話は私しか出来ない”という思いこみのようなものがあると感じました。 産後は動物としての本能なのかホルモンバランスの関係なのか、「この子を守れるのは私だけだ!」という心境になるという話もありますが、彼女自身とても真面目なタイプで、どこかで“赤ちゃんの世話はママである私がしなければいけない”と思い込んでいるように見えたのです。 苦笑いをしながら「でも、自分だけの時間がちょっとでもとれると嬉しいよね」とも、こぼしていました。 その場にいた他のママと一緒に全力で、「大丈夫!夫を信用して!なんとかなるから。30分でも良いから赤ちゃんを夫に預けて、リフレッシュしてきなよ!もし夫だけじゃ心配なら、シッターさんを呼んでも良いし」と猛プッシュをしました。

もちろん、夫婦にしかわからないこともあるので、絶対にそれが正しいとは言えませんが、追いつめられたような表情に一抹の不安を感じてしまいました。 ちなみに、次に会った時は「夫に赤ちゃんを預けて、美容院に行った!」と嬉しそうに話していました。


後編の漫画では、そんな私が産後1か月で親友の結婚式へ1人で出かけた時の話を描きました。私も友人と同じく「夫に赤ちゃんのお世話が出来るのだろうか?」と不安がいっぱいで、夫の方も「自分1人で大丈夫?」と不安がいっぱい……。



そんなこんなで、6時間ほどの、産後初めての1人でのおでかけをしました。

6時間の間で何が起こりそうか(授乳何回、オムツはいつ替える?など)、何が必要になって、イザという時はどうするか?などなど、2人でバッチリ準備をしていたはずが……、授乳をしないと胸が張ってしまうという、私自身のことはすっかり忘れておりました。

ドタバタだった私とは対照的に、準備のかいあって落ち着いて過ごした夫と子どもは、近所のお寺に初めてのお散歩にも行ったそうです。

不安を乗り越えたことで、「1人でも大丈夫」という自信がついたと言っていました。

今でもはっきり思うのですが、この日が大きな転機でした。

その後は、週末たまにどちらかが1人で子どものお世話をして、お互いに1人の時間を少しでもとるようになりました。そのお陰で心に余裕が生まれ、イライラすることが減り、落ち着いた気持ちで家事育児に向き合えるようになりました。

正直なところ、私も前編で書いた友人のように「夫に赤ちゃんのお世話が出来るのだろうか?」と不安に思っていました。夫も同じ気持ち、もしくはそれ以上だったと思います。

出産して以来、何をするのも“初めて”ばかりで、目の前には小さくてか弱くて、うっかりしたらすぐに命が消えてしまいそうな赤ちゃんがいて、「育児とはこんなにも不安がつきまとうものか」と日々鬱々と思っていました。

この日を境に、夫も私も育児に対してポジティブになれたように思います。「やったことがないけれど、きっと私たちにも出来るはず」と、ひとつひとつ乗り越えていく感じです。

“育児とは子どもだけではなく、親も一緒に成長するものだ”と聞いていましたが、まさに身をもって実感しました。

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